Bootstrapのバージョン移行ガイド!v3からv4、そしてv5の違いを初心者向けに徹底解説
生徒
「先生、Bootstrapって昔のバージョンと今のバージョンでは何が違うんですか?」
先生
「とても大事な質問ですね。BootstrapはWebサイトをデザインするための便利な道具ですが、バージョンが進むごとに使い方や機能が大きく変わってきました。」
生徒
「例えばどんなところが変わったんでしょうか?」
先生
「それでは、Bootstrap3、Bootstrap4、Bootstrap5の歴史と違いを順番に見ていきましょう。」
1. Bootstrap3の特徴と基本
Bootstrap3は、2013年に登場したバージョンで、スマートフォンが普及し始めた時代に合わせてモバイルファーストという考え方を導入しました。モバイルファーストとは、スマートフォンなどの小さい画面で見やすいデザインを優先して作り、その後に大きな画面向けに調整していく方法です。これにより、誰でも簡単にレスポンシブデザイン(画面サイズに応じてレイアウトが変わる仕組み)を実現できました。
ただし、Bootstrap3のデザインは少し古さを感じることもあり、フラットデザイン(影や立体感を省いたシンプルなデザイン)が中心でした。また、JavaScriptの動きもjQueryというライブラリに依存していました。
2. Bootstrap4で大きく変わったポイント
Bootstrap4は2018年に登場しました。大きな違いは、Webデザインの最新トレンドに合わせて大幅に改良されたことです。
- Flexboxを導入:グリッドシステム(ページを分割する仕組み)が強化され、柔軟にレイアウトを作れるようになりました。
- カードコンポーネントの追加:情報を囲んで見やすく表示する「カード」が標準で使えるようになりました。
- IE8のサポート終了:古いInternet Explorerへの対応を切り捨て、モダンなブラウザ向けに最適化されました。
- ユーティリティクラスの拡充:marginやpaddingなどを簡単に調整できる便利なクラスが増えました。
つまり、Bootstrap4は「より柔軟に、よりモダンに」変化したのです。ただし、依然としてjQueryに依存していました。
3. Bootstrap5での進化と変化
Bootstrap5は2021年に正式リリースされました。最大の特徴は、jQuery依存を完全に廃止したことです。これにより、余分なライブラリを読み込む必要がなくなり、ページの動作が軽快になりました。
- jQuery廃止:今は純粋なJavaScriptだけで動作します。
- 新しいユーティリティAPI:自由にクラスを組み合わせて、CSSを書かなくても細かいデザイン調整が可能に。
- IEサポート完全終了:古いブラウザは切り捨て、最新ブラウザだけに対応。
- フォームの改善:チェックボックスやラジオボタンのデザインが美しく統一されました。
- グリッドシステムの拡張:さらに細かいブレークポイント(画面サイズの区切り)が追加されました。
Bootstrap5は「軽量で最新のWebに対応したフレームワーク」として多くの開発者に使われています。
4. バージョンごとの比較まとめ(何が変わった?何が廃止?)
| バージョン | 特徴 | 廃止・変更点 |
|---|---|---|
| Bootstrap3 | モバイルファースト、シンプルなフラットデザイン | 古いデザイン、jQuery依存 |
| Bootstrap4 | Flexbox導入、カード追加、ユーティリティ拡充 | IE8サポート終了、デザイン一新 |
| Bootstrap5 | jQuery廃止、フォーム改善、最新ブラウザ最適化 | IEサポート完全終了、古いコード互換性なし |
5. 初心者が移行で注意すべきポイント
もしBootstrap3やBootstrap4からBootstrap5へ移行する場合、いくつか注意する点があります。
- Bootstrap3の古いクラス(例:
.pull-leftや.pull-right)は使えなくなり、代わりにFlexbox関連のクラスを使います。 - Bootstrap4で利用していたjQueryベースのスクリプトは、そのままでは動かない可能性があります。
- IE対応を必須としているサイトではBootstrap5は使えません。
- フォームやレイアウトの細かいクラス指定が変わっているので、公式ドキュメントで確認しながら修正が必要です。
つまり、ただ置き換えるだけではなく「新しい考え方に合わせてコードを書き直す必要がある」ということです。
6. 初心者にもおすすめの使い方
これからBootstrapを学ぶ初心者には、最初からBootstrap5を使うのがおすすめです。理由は、最新の機能が揃っていることと、将来的に学び直す必要が少ないからです。
もし古いプロジェクトを修正する場合は、Bootstrap3やBootstrap4のコードをBootstrap5用に書き換える練習にもなります。たとえば、古いコードの.input-group-addonは、Bootstrap5では.input-group-textに変更されています。このように、具体的に「どのクラスが置き換えられたのか」を調べながら学んでいくと理解が深まります。